小学生の時間管理は「生活タイムカード」で変わる!【無料ダウンロード付】

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先生

私ってどこに向かって教育しているんだっけ…?

毎日5、6時間の授業を担当し、個別対応もアリアリの生徒指導に追われていると、自分は一体何を目指して教育を行っているのか、どこをゴールとして指導に当たっているのか、見えなくなってしまうことはありませんか?

私はあります(^_^;)

時間が…
時間が…

日々の授業に精一杯で、先を見通して指導の準備をすることができないよ💦

今の教育って?
今の教育って?

指導してもすぐには変わらない子どもたちを長いスパンで見守るためにはゴール地点はどこに設定したらいいんだっけ?💦

大事なことは?
大事なことは?

教科書内容をやり残さないように進めることはもちろん大事だけれど、それだけでいいの?💦

モヤモヤモヤモヤ…(@_@;)

この道32年
この道32年

こんにちは!現役小学校教員のkiki3と言います。ベテランと呼ばれる年齢になり、これまでの経験が少しでも誰かの助けになれたら嬉しいなと思ってブログを書いています。

どこへ向かうのか

先生って、毎日ナマモノを相手にする仕事だからこそ「近くの」悩みや迷いをどうするかで考えることがいっぱいあります。

毎日何かが起きて、その対応でいっぱいいっぱいなこともありますよね💦

でも、私たちが何を目指して日々頑張っているのか、ちょっと目線を遠くにやって、俯瞰でモノをみる機会も必要だなって思うんです。

そんなわけで、この記事では、

「今私たちが行っている教育はどこへ向かっていくのか」

というとても大きなテーマの、ごく一部なんだけどとても大事なところを取り上げてお話していきたいと思います!

この記事では、「生活タイムカードを書くことが子どもにとっても大人にとっても大事な理由とやり方の実例」をご紹介します。

2020年→2030年

現在、小学校で使われている現行の学習指導要領は、2020年度(令和2年度)から全面的に実施されています。

kiki3
kiki3

つまり、2025年だと開始から6年くらい経つっていうことですね。

学習指導要領は社会の変化に対応するためおおむね10年ごとに改訂されているので、次期学習指導要領についてもだんだん方向性が見えてきています。

そのなかで、私が「そう!そのとおり!ずっとそう思ってたよ!」ということが、「時間を自分で管理する」ということなんです。

2030年代に向けた教育改革においては、子どもたちが自分の時間を主体的に管理する力は、単なる生活習慣の枠を超えて、「学びの質」と「生きる力」を左右する最重要スキルとして位置付けられていると思います。

柔軟で個別最適な学び(全員一律からの転換)
子どもたち一人ひとりが持つ興味や学び方の違いを尊重し、それぞれに合った学び方ができるようにすることも大切な視点です。これまでは「全員が同じ授業を同じペースで受ける」のが一般的でしたが、今後は「子どもに合わせて学び方を柔軟に変える」取り組みが重視されていきます。 ICT(タブレットやデジタル教材)を活用した個別学習などが、その一例です。(文部科学省HPより)

35人学級で全員一律からの転換?

一斉学習ではなくなるの?

不安しかない…
不安しかない…

一体どうやっていけばいいんだろう…

大丈夫!
大丈夫!

今だって一人一人にとって最適な学びになるように一生懸命考えて授業していますよね。それが、ぜーーんぶ変わっちゃうっていうことではないです。まあ、そこは一旦おいといて笑

はっきりしていることがあります。それは、

自分で選んだり、決めたりしながら子ども自身が学んでいくためには、自分をプログラミングしたり、コントロールしたりする力が必要だということです。

「自分自身を知ること」が個別最適な学びの土台となるため、子どもが「自分に合った学び方」を柔軟に選ぶためには、まず自分自身の特性や学習ニーズを理解していることが前提となりますよね。

つまり、今の時点からやっていきたいことは、子どもたち一人一人が自分自身について知ろうとさせていくということです。

そのためにすぐに取り組めること、それが、自分の生活の「見える化」です!

自分を知るために

まずは、いまの自分の生活がどんなふうなのか1枚にまとまるように書いていく習慣を付けたい。自分に目を向けさせたい。

そのために下のような内容を書き込めるようにしたカードを作りました。

自分の生活を「見える化」していく時に、盛り込むとよい項目を6項目あげて説明しています。
時間の使い方やフリースペースを入れて「自分について知るカード」にしていきます

発達段階や学級の雰囲気によっても優先順位をつけてカードに入れる項目を決めていくと、児童の実態に合ったカードが作れると思います。

生活タイムカードのポイント

作り方はいろいろあると思いますが、実際に私が作ったカード(シート)のポイントは次のような感じです。

  • A3横の1週間管理シート
  • 起床/就寝、学習時間、宿題、予定、自己評価(点)、振り返りを記入
  • 子ども自身が見える化できる
  • 「叱るための紙」ではなく、自分で管理できるようにするための道具(ツール)
  • いちばん大事なのは、振り返り
  • 近い将来絶対役に立つことを強く伝える!

タイムカードは1年の間にもちょこちょこ改良しながら使っていくといいです。時には子どもからの要望で書きにくいところを直すこともあります。

何度も改良
何度も改良

1〜6年の全学年で作ってきましたが、時間を帯で見ることができるようになる3年生からは作り甲斐があります!

生活タイムカードの実例紹介(6年生)

ちょっと細かいかもしれませんが、いきなりこうなったわけではありません(^O^;)

これは、小学校6年生の冬休みから使うために作った生活タイムカードです。

名前は「自分を成長させるカード」としました。これまで生活の様子や時間の使い方が見えるカードとして「生活タイムカード」と呼んできたのですが、小学校卒業と中学校進学を見据えた後期後半は、自分軸をもっとしっかりもってほしいという願いをこめて命名しました。

このカードは、現時点では子どもの記入したものはまだないので、これまでの生活タイムカードの使い方を実例とともに紹介していきたいと思います。

実例1:学習と睡眠に重点+簡単計算+忘れものチェック

生活タイムカードの実例(1)です。学習時間をピンクで色付し、実際の学習時間を数字(分単位)で書き込んでいます。
生活タイムカードの実例(1)

学習時間をピンクで色付し、実際の学習時間を数字(分単位)で書き込んでいます。

1日の設定学習時間は1時間10分(5年生の時は1時間)を最低ラインとして自分で決めます。忙しい日があることも考慮して、1週間のなかで調整して8時間10分やるように決めていますね。

受け身はダメ
受け身はダメ

基準となる設定時間は教師が示しますが、あとは、本人が目標時間をきめることが大事です!「やらされ勉強」にしないためには、「自分で決める」ことを習慣化しなくちゃって思います。

連絡コーナーには宿題が書いてあります。「やったら◯をつける」なのか「ランドセルに入れたら◯をつける」なのか分かりませんが、本人なりのルールができているのは、カードの活用方法としてハナマルですよね。

実例2:時間の使い方を帯で見る+予定と実施+連絡

生活タイムカードの実例(2)です。紫で色付をした「デジタルタイム」が毎日1時間半から2時間であることがパット見て分かります。
生活タイムカードの実例(2)

細かく書き込むことが好きな子どもにとっては、自分について知る要素がたくさん詰まったカードは、慣れてくると書くことが楽しくなってくるようです(^o^)

1週間で9時間20分学習するという目標を立て、実際には10時間14分学習できています。目標をしっかりクリアできていますね。しかも、連絡コーナーを上手く使って持ち物チェックをし、忘れ物もありませんでした。そこで本人に90点の理由を聞いてみました。

完璧なのに
完璧なのに

バッチリだね!どうして100点じゃないの?

スマホが…
スマホが…

ん〜勉強はよかったんだけど、寝る前までめっちゃスマホ見てるなあって思って…。あと、土曜日は勉強ゼロで、スマホ5時間半も見てたことに驚きました。

振り返りには「外で遊ぶ時間がなかった」と書いてあるのですが、マイナス10点にした本音の部分は、デジタルタイム(スマホ)が長すぎたことにあったようです。

自分で気づいて減点できるってすばらしいですよね。これも「見える化」の効果だと思います!

分けてます
分けてます

ちなみにタブレット学習と区別するため、スマホなどのデジタルタイムは「遊びデジタル」と名付けています。

実例3:シンプル+生活リズム

生活タイムカードの実例(3)です。赤で学習時間を示す以外は、鉛筆で色をぬり、カードを書くことに時間をかけない工夫がされています。
生活タイムカードの実例(3)

生活タイムカードはカラフルに書くことが目的ではありません。自分の生活リズムや生活パターンを知って、まずは自分自身や自分の時間の使い方に関心をもつことが1番です。

この子は、1週間で9時間という目標を立てて、10時間52分の勉強時間を確保しています。もちろん自己評価は100点です。

でも、100点の理由はそれだけではなくて、振り返りを見ると、「規則正しい生活ができた」と書いています。最終日の就寝時刻は遅かったものの、起床・就寝どちらもほぼ毎日決まった時刻になっていて、生活が安定していることが分かります。

大事なのは、子ども自身がこのことに気づいたということです。

書くのが得意じゃない子もいますし、書き忘れて適当にごまかした日があってもいいと思います。

完璧じゃなくていいから、「生活タイムカード」をとにかく始めること、そして続けることが自分自身を知ることになり、絶対この先役に立つ力になると思います。

これからのために

子どもたち一人一人がもつ興味や学び方の違いを尊重する…と文科省は言うけれど、まず子ども自身が自分の興味や自分に合った学び方を知らなければ、35人を抱えた学級担任がそこで1から個別に寄り添って考えることはものすごく難しいと思います。

主体的にやろうとする子どもの素地は今からつくっていかないと大変なことになるのは目に見えています。

「自分を見つめ、学習習慣を確立し、自律的に学ぶ」そういう子に育てるために、まずは今から自分の時間を管理・調整できるようにこつこつ続けていきましょう(^o^)

子どもが育つと、大人も声かけの内容が変わり、楽になっていきます。じわじわ力を醸成していくことは簡単ではありませんが、やってよかったと思える取組になることは間違いないです!

楽にやろう
楽にやろう

毎日カードを点検するのが大変だと思う方!大丈夫ですよ!無理のない程度に分けて点検するといいです。私の場合は、1日1班(4,5人)見る感じでやってました。何事も完璧を目指さないことが大事です✨️

教師の点検がない日は、学習リーダーや会社の仕事にすればOKです。スタンプやシールを用意すると張り切って見てくれますよ。友達のカードの「いいとこ探し」にもつながり、点検する子も見る目が養われますね!

毎日考えることがたくさんあって、新しいことや教科書以外のことを始めるのは大変かもしれません。でも、どんな力がこの先役に立つんだろうって考えた時に、生活タイムカードは有効だと思います。

みんなでがんばろう
みんなでがんばろう

私がカードを作り始めたきっかけは、我が子のためでした。ママとしては家でのダラダラに小言を言いたくない。先生としては、時間管理の力を身に付けてほしい。そんな感じだったと思います。

個人面談の時に「コピーしてお兄ちゃんにも使わせてもらってます。」と話してくれたお母さんがいて嬉しかったです!

いろいろあるよ

生活タイムカードという言葉は私がそう呼んでいるだけで、「スケジュールノート」とか「学習計画表」とか様々なものが市販されています。

ホワイトボードタイプ(市販)

ホワイトボード:1週間タイプ(購入時2420円)
ホワイトボード:1日タイプ(購入時2420円)

パッケージにもあるように、小学校低学年から中学年の子どもたちには使いやすくていいんじゃないかなと思います。

しっかりした製品で自立応援にピッタリだと思いますが、学校で購入するものではないので、時間管理の大切さに気づいているお家の方が準備してあげたらいいんじゃないかなって思います。ボードとして立てて使用すると、ついたて効果も得られると思います(^o^)

低学年用カード(kiki3作)

ちなみに、私は低学年のうちは「取り組んだ数」で自分のがんばりを見える化するカードを作っていました。こんな感じです。

低学年用のがんばりカード。1週間単位で使用する。プリントの枚数や音読、ノートのページ数など合算し、自己目標を超える達成感を味わわせる。
低学年用のがんばりカード。1週間単位で使用する。プリントの枚数や音読、ノートのページ数など合算し、自己目標を超える達成感を味わわせる。

一言書くスペースを設けていますが、感想を書いている子、かかった時間を書いている子、お母さんがコメントを書いている子とまちまちなのが分かると思います。

使い方を決めつけず、やっぱり大事にしたいのは振り返りの自己評価(◎◯△)と決めた目標をクリアできたかどうかです。

「達成するとうれしい」という感覚と、できない日があっても1週間で調整するという感覚を低学年からじわじわ育てることを目的として続けていました。

中学生〜(市販)

娘が高校生の時のノートが一部残ってたので紹介します。

娘が高校生の時のスケジュールノート
WEEKLYだとこんな感じ

簡単な記録ですが、自分の「今日」を振り返って、明日に向かうことができます。

これはDAYLYタイプなので、より細かく書くことができますが、中学生以上向けですよね。小学生にはやはり細かすぎて続かないのではないかと思います(^O^;)

やっぱり発達段階や子どもの実態に合わせて導入できれば、続けていけるように思います。

小学生であっても、時間を自分で管理することの価値を卒業までに分かってくれれば、そのあとは市販のノートなどを使っていけるのではないかなと期待しています。

おわりに

生活タイムカードを書くことが、今の子どもたちの「未来の学び」につながるということ、伝わったでしょうか?

いざその時が来て、突然子どもの自主性や主体性に任せるような転換の仕方をしたら、ただの丸投げになってしまいます💦

先のことを考えて準備したり勉強したりするのは簡単ではありませんが、いろんな方の力を借りたり、使えるものはどんどんシェアして子どもたちの未来が明るいものになるように一緒に頑張っていきましょう!

今回ご紹介した生活タイムカードはダウンロードして使用することが可能です。とりあえずお試しにどうでしょうか。また、これまでに作ったカードもダウンロードできるように準備していきますのでお待ちくださいね!

最後までお読みいただきありがとうございました!

(=^・^=)

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