生き生きと活動する子どもの姿が見たい!
いろんな願いや思いをこめて計画する「係活動」。
それなのに、こんなお悩みが生まれちゃったことありませんか?

係を決めても、いつも同じ子ばかり動いているんだよなあ。

やる気のある子も多いけど、何をすればいいか分からない子もいて、差が大きいのよね。どう進めたらいいのかな。
私がまだ小学校教員になりたてだった頃の話です。
みんなが楽しく活動できると思い込んでいた学級活動だったけど、自分が先生になって活動を仕掛ける側になってみたら、
なんでなの!? うまくいかない…(T_T)
楽しんでいるように見えるけど、実は温度差があったり…
楽しさをはき違えて自分勝手になってしまいそうな子がいたり…
一緒に活動すること自体に無関心な子がいたり…
もやもやもやもやもやもやもやもや…(-_-;)

こんにちは✨️学担一筋32年のkiki3です!
みんなのために活動する力って、大人になってからも生き方そのものに関わる大切な力ですよね。そんな力を育てるもとになる「係活動」。
この記事では、私が係活動を「会社」に変えていった経緯を、根拠とともにお伝えします。
なぜ係活動を会社活動に変えたのか、教師はどこまで関わるのか、失敗をどう受け止めるのかなど、私の実践をもとにお伝えしていきます。
「係活動」から始めました
私も先生になった最初から係活動を「会社」にしていたわけではありません。
初任の3年間は何をどう工夫していいのか分からず(^O^;)、とにかく迷いながら、活動のさせ方を探っていました。
子どもの様子を見ながら
子どもの声を聴きながら
少しずつ手を加えて
とにかく手探りで進めていたのを覚えています。
若いころの私は、先輩の教室を見せてもらい、「教育技術」を読み込み、研修で教わったことを試していました。
今のように、ネットですぐ実践例を探せる時代ではありません。

本と研修と、直接盗む(笑)。それが主な情報収集でした。
係活動は、やりたいことを、やりたい友達とやるだけの活動じゃない。
分かっているんだけど、うまく子どもに伝えられない…
うまく子どもの活動をねらう方向へ誘導していけない…
子供時代に自分も通ってきた「係ってこんな感じだよね」っていう毎年もやっとする同じ空気感に問題を感じながらも、一体どうやって係活動に対する意識を育てたらいいのか分からない…
もやもやもやもやもやもやもやもや…(-_-;)
でも、そのモヤモヤの中でもがいてたどり着いた結論は、とってもシンプルなものでした。
それは、「目的をはっきりさせる」ということ。
「ねらいがあって活動がある。」当たり前のことですよね。
でも、私たち教師側がもっている「ねらい」をどう子どもに理解させて、活動を仕掛けていくか当時の私は気づくことができませんでした。
係活動は、
学級という小さな社会を、自分たちの力でよりよくするための活動です。
だから、こんなふうに子どもたちに伝えることにしました。

係活動は、みんなが笑顔になるための活動だよ。笑顔いっぱいの学級をつくるにはどうしたらいいか、みんなで考えよう!
めちゃくちゃシンプルですよね。
でも、係活動の目的や目標を長々と伝えるより、どの子にもハッキリと伝わります。
その理由は、想像しやすいからだと思います。
具体的な活動をさせるのだから、目指すところも「笑顔」という具体的な方がいいことにたどり着くまで、今思えば何年かかかったような気がします。(^O^;)
誰でも最初から、自分だけの特別な実践をもっているわけではないので、経験の浅い先生も「自分で新しい方法を生み出さなきゃ」と思わなくて大丈夫。まずは、いいなと思った実践を真似してみる。それでいいと思います。
真似してやってみると、自分の学級には合わないところも出てきます。そこで、目の前の子どもに合わせて少し変える。その積み重ねが、だんだん自分の実践になっていきます。

壊したかったのは「積極的な子だけでまわる係活動」
係活動を続けていると、どの学年でも「活動への温度差」が生まれることを知りました。
積極的な子がどんどん決めて動く一方で、仕事が回ってこない子がいる。何をしたらいいか分からず、そのまま時間が過ぎてしまう子もいる。
強い子から見れば、「あの子は何もしない」
参加しづらい子から見れば、「あの子が勝手に決める」
でも、これは単純に「やる気がある・ない」の問題ではないように思いました。
同じ係だけど、見えている景色が違う

上の絵に登場しているそれぞれの言葉としては、
- 積極的な子:「ちゃんとやってよ!」
- 参加しづらい子:「でも、何をしたらいいかわからない……」
- 優しい子:「私が決めちゃっていいのかな…」
- KIKI3先生:「どした?」
こんな感じかなと思います(^O^;)
私は、活動の様子からある程度何が起きているか分かっていても、必ず一回とぼけて「どした?」と聞くことにしています。(子どもに説明させるためです)
それはさておき、
それぞれの性格や特性などもあって、参加の仕方がちがうことはよくありますが、私が考えたかったのは、誰かを叱って動かすとか説得して動かす方法ではない「みんなが参加できる方法」でした。
最初に変えたのはポスターでした
最初に工夫したのは、係や会社を紹介するポスターです。
四つ切りの色画用紙を土台にして、会社名を書く人、絵を描く人、仕事内容を書く人、飾りを作る人というように、人数以上の仕事を用意します。
簡単にできる仕事も、少し考える仕事も混ぜます。すると、「絵は苦手だけど、紙を切るならできる」「会社名を考えたい」など、自分にできそうな入口を見つけやすくなります。
大事なのは、全員が同時に手を動かせることです。

きれいなポスターはいらない。
みんなで手を動かした結果が見えるポスターがいい。
完成品だけを見れば、一人の得意な子が作った方が、きれいかもしれません。
でも、係活動で育てたいのはポスターを美しく仕上げる力だけではありません。
相談したり、譲ったり、自分にできる仕事を見つけたりする過程そのものにも、大きな意味がありますよね!
\(^o^)/
1年生、色画用紙えらびで大論争(笑)

- 子どもA:「先生!ピンクください!」
- 子どもB:「ちがう!黄色がいい!」
- KIKI3先生:「どした?」
- KIKI3先生:「Aさんはピンクがいいんだって。ピンクだと優しい感じになりそうだね」
- KIKI3先生:「Bさんは黄色がおすすめだって。黄色だと明るい感じでいいね」
- KIKI3先生:「どっちの色もいいねえ。」
- KIKI3先生:「話し合っても決まらないなら、、、今回はじゃんけんにする?」
「任せる」と「放っておく」は違います。
特に低学年では、自分の気持ちをうまく言葉にできません。教師が間に入り、「どした?」と聞き、双方の思いやよさを言葉にして返します。そのうえで、時間内に決められるように支えるようにしています。
時間は限られているので、ココは重要ではない、と思えば折り合いをつけるように仕向けていきます。

折衷案で、全く違う色を提案することもあります。笑
どうでもいいことで意固地になっている場合もあるので、とにかく「どした?なんか困ってる?」と振って、話を聴いてみることでやりとりがほぐれて、全く違うところに着地することもありますよ。(子どもっておもしろい)

相手の言葉や気持ちを受け止めて返す関わりは、カウンセリング・マインドを育てることにつながりますね。
なぜ「係」ではなく「会社」にしたのか
係活動を「会社」と呼ぶようにした一番の理由は、相手意識をもたせたかったからです。
仕事には、相手がいます。
誰のためにするの?
何のためにするの?
本当に役に立っているの?
自分たちだけが楽しい活動になっていない?

仕事って、自分がやりたいようにやればいいってもんじゃない。
ニーズを意識させるにはどうすればいいか考えた時に、現実社会では倒産する可能性のある「会社」という形が合ってると思ったわけです。
「会社」として考えると、子どもたちは少しずつ、サービスを受け取る相手を見るようになります。
自分たちの思いつきをそのまま実行するだけではなく、学級のみんなが何を望んでいるかを考えるようになるんです。
これは本当に大きな意識の変化で、私もその反応のよさにびっくりしました。
会社活動の目的は「みんなが笑顔になること」
私が子どもたちと何度も確認するのは、「会社活動は、みんなが笑顔になるための活動」ということです。
学級をよりよくする。仲間の役に立つ。相手の困りごとや願いを見る。そして、自分たちも楽しむ。
一般的な会社をそのまま教室に持ち込み、利益を競わせたいわけではありません。
私の感覚では、学級の会社活動は、むしろ小さな公社のようなもの。みんなの暮らしをよくする、公共性のある活動です。(ある意味公務員ですね笑)

文部科学省は、特別活動を「人間関係形成」「社会参画」「自己実現」の三つの視点で整理しています。よりよい学級生活のために、子どもが自分から関わり、問題を解決しようとする会社活動は、「社会参画」の視点とつながりますよ。
筑波大学の藤田晃之先生は、文部科学省の研修資料で「小学校はキャリア教育の宝庫」と示しています。
特別な職業体験だけでなく、普段の学校生活にも、役割を果たし、振り返り、次に生かす学びがあります。私は、会社活動もその一つだと考えています。毎日自分がいる「学級」という場所で想像力を働かせてやってみることがまず最初の一歩になると思いませんか?(*^^*)

会社活動を続けるなかで、「人間関係形成・社会形成力」「自己理解・自己管理能力」「課題対応能力」「キャリアプランニング能力」をじわじわ育てていくことができますよ。

ひとは社会のなかで生きていきますよね。それなのに、社会の中で生きていくための心持ちと術をもっていないのは、いつか生きていくのが苦しくなる原因になるかもしれません。
だから、小学校という小さな社会で、いろんな練習をしてほしいなって思います。小学校はまちがったり、失敗したりしながら生き方を学んでいく場所ですから!✨️
相手意識は「相手のことを考えよう」だけでは育たない
「みんなのことを考えてね」と言うだけで、相手意識が育つわけではありません。だから、実際にニーズを調べる必要性があることを教えます。
| 学年の目安 | 調べ方 | 例 |
|---|---|---|
| 低学年 | 直接インタビュー | 「次のみんな遊びで何をやりたい?」 |
| 中学年 | 紙のアンケート | 三つほど案を出して選んでもらう |
| 高学年 | Googleフォームなど | 理由や新しい案も集める |

低学年なら、「A社です。次のみんな遊びで何をやりたいか教えてください」と聞くだけでも十分です。
実際に活動に反映できなかったとしても、ニーズを探ろうとすること自体に意味があるんですよね✨️
イベント会社が計画を変えたわけ

- イベント会社のAさん:「ドッジボールやりたい!」
- イベント会社のBさん:「でも前にもやったよね。あまり楽しめてない子もいたよ」
- イベント会社のCさん:「じゃあ今回は大縄にしようか?」
- KIKI3先生:「この前の友達のを見て活動を変えた方がいいと思ったんだね!すごいよ!」
ここでほめたいのは、大縄がイベントとして成功したかどうかではありません。
前回のドッジボールイベントのときに参加している友達の様子を見ている子がいたこと。
それを次のイベントに活かそうとしたこと。
自分たちのやりたいことを優先しなかったこと。
全体のことを考えて、最初の計画を話合いで変えたことです!
やり取りを見ていて背中がゾクゾクするほど嬉しかったです\(^o^)/(変な表現?)
下の画像は、5年生の「スポーツまかせて会社」がクラスルームに投稿したGoogleフォームによるアンケートの一部抜粋です。

「みんなのため」と自己犠牲はちがう
みんなのために活動するからといって、自分を我慢させ続ける活動にしてはいけません。
会社のメンバーも、「みんな」の中に入っています。
- 自分たちがやりたいこと
- 相手が求めていること
この両方を大切にします。

どちらか一方を正解にするのではなく、みんなが「それならやってみよう」と思える納得解を探します。自分と相手の思いのバランスを取り、折り合いをつける力は、大人になってからも必要です。
意見がぶつかるのは、悪いことではありませんよね!
私は、きれいな学級会はいらないと思っています。もめたときこそ、違う考えをもつ相手と一緒に決めごとをしていく練習ができますから(*^^*)
正解を考え続けるより「一回やってみる」
子どもたちは、「失敗したらどうしよう」と止まってしまうことがあります。そんなときは、こう声をかけます。

失敗しても大丈夫だから、まずやってみ!
会社活動は、一回で終わらないのでまずはアクションを起こせるように安心させてあげたいですよね。
やる → 振り返る → 変える → またやる
一度やってみたからこそ、「準備の時間が足りなかった」「声をかけても参加する人が少なかった」「この方法なら次はできそう」と具体的に考えられます。
正解が見えてから始めるのではなく、やりながらよりよくしていく。安心して失敗できる「教室だからこそできる学び」だと思います。
「失敗」で終わった会社はありません
準備不足だった。思ったほど盛り上がらなかった。頑張ったのに反応が薄かった。
子どもにとっては、がっかりする出来事ですね。でも、そこで「失敗だったね」と終わらせてしまう教師はいないと思います。

準備しないとうまくいかないって分かったね。大きな収穫だね!

残念だったところを変えればいいだけだよ。いいところもいっぱいあったよ💕

今、分かってよかったね!次から変えられるね✨️
「計画→やる→チェック(見直し)→変えてまたやる」これが大事だよね!
フォローの仕方なんていくらでもあります!笑
うまくいかなかったことも、全部、次に生かす材料になります。
まず、やったこと自体が尊いんです。だから、失敗で終わってしまうような悲しい会社は存在しません。

途中の変化を見取り、次の改善につなげる考え方は「形成的評価」ともつながります。点数をつけて終えるのではなく、次にどうするかを考えるための評価ですね。
「できた」より「変えようとしている」をほめる
会社活動のホメホメポイントは、華やかな成功だけではありません。
- 自分の役割を果たそうとしている
- 先週できなかったことができた
- 困っている子をカバーした
- 方法を改善した
- 改善した方法がうまくいった
- もめたあと、自分たちで折り合いをつけた
- 振り返ったあと、次の行動を始めた

機を逃さずほめたいのは、何かを変えようとしている姿です。
結果だけをほめると、目立つ成功をした子に注目が集まりがちです。
でも、小さな変化を見つけてその場で言葉にすると、子どもは「自分たちで変えられる」と感じます。
その積み重ねが、教師に言われなくても考えて動く、自走する学級につながっていくんですね!
\(^o^)/

会社活動は、何度でも「原点に」
学期の最初に一度だけ目的を話しても、活動を続けるうちに薄れていきます。
だから、振り返りのたびに聞きます。

なんのために会社をやっているの?
目的 → 実践 → 振り返り → 改善 → もう一度「何のため?」
このPDCAサイクルを何度もぐるぐる回します。
活動がマンネリになったときも、意見がぶつかったときも、「みんなが笑顔になるため」という原点に戻れば、次の一歩を考えやすくなります!
会社の報告会や振り返りの具体的な進め方は、下の記事で紹介しています。
実際にどんな会社や係が生まれたのか知りたい方は、下の記事もぜひご覧ください✨️
始める時期や学級会までの流れは、下の記事にまとめています。
学級活動は、担任の想いや取り組み方の違いが表れやすい学びです。
安定した学習指導や学級経営にもつながるため、学級活動を大事にしている先生のクラスは、楽しそうだけどはしゃぎすぎない「歯止めの効くクラス」が多いように思います。
まず一つだけ、やってみてください
最初から、全部うまくやる必要はありません。
…というか、うまくやろうと考えるのではなく、「やってみて次に向けて改善していくっていうサイクルは私たち教師も同じだ」と考えればいいですよね。
子どもの活動がうまくいかなかったからといって、すべてが先生の指導不足というわけでもありません。先生が全部をきれいに整えないからこそ、子どもが困り、相談し、変えていける場合もあります笑
まずは、全員が同時に手を動かせるポスターづくりからでも大丈夫です。
会社の目的を決める。簡単なインタビューをする。一週間後に「どうだった?」と振り返る。そのうちの一つだけでも、ぜひやってみてくださいね!

先生も子どもも、失敗しながら変えていけばOKなんですよね!
会社活動を通して、学級という小さな社会で「自分たちの力で、もっとよくできる」という実感が育っていったら、うれしいですね!
一緒に頑張っていきましょう\(^o^)/
最後までお読みいただき、ありがとうございました!

「これはどうやるの?」など気になることがありましたら、お気軽にコメントください✨️「効果あり!」も「これはだめだった〜💦」もいろいろなことを試してきたのでネタはたくさんあります!



