「学級活動をどう展開するか」
学級担任だったら誰もが時間をかけて考えたいところです。なぜなら、学級がうまくいくかどうかは学活の進め方と大きく関係するからです。
子どもたちが自分たちの力で話し合って、いろんなことを決めてやっていけるクラスを作りたいです!
やりたいことはあるんだけど、一体どうすればいいのか悩んでしまう…そのお気持ち、よーく分かります。私も30年前そうだったからです。そして50代となった今も悩みながら一学担として進んでいます。
刻々と変わっていく時代、教育、子どもたちと真剣に向き合っていくと、教員の教材研究や日々の研修には終わりがないな💦って感じます。
でも、これは大変だけど積極的に悩みたい仕事内容の1つですよね!
担任が理想とする学級像や児童像をどう描くかで方法が変わる。
学年や発達段階、児童数によっても方法が変わる。
このブログでは、30年間で全学年を複数回担任してきた経験から、こんな学級活動のやり方もあるよ!という具体例をご紹介します。この記事では、「係活動を始めるまで」「学級会を開くまで」の細かい部分をピックアップします!珍しい切り取り方だと思うので、プレ先生や真剣に学級づくりに取り組んでいる先生方に読んでいただけたら嬉しいです。
特別活動・学級活動で忘れちゃいけないこと
学活を含む特別活動の目標は「人間関係形成」「社会参画」「自己実現」という3つの視点を大事にして決められています。
これを頭に入れておくと、具体的に「どんな子に育ってほしいか」具体像が見えてきます。
「こんなことを大事にできる子どもに3月までかかって育てていこう!」と担任として目指すところをまず自分の中にもつところから始めると進む方向が見えてきます。o(^▽^)o
「係活動」はすぐに始めてはダメ
だいたいの学級で係活動は行われていますよね。そしてこの記事を読んでくださっているほぼ全ての方が係活動を経験してきていると思います。
思い起こすと、私が小学生だった40年前も同じようなことが同じような形で進められていたことを覚えています。
係活動のねらい:児童同士が協働し、よさを生かし合いながら、学級生活を楽しく豊かにしていくこと
①学級における係の役割を自覚する
②学級にとって必要な係をを学級会で話し合って合意形成によって組織をつくる
③係のメンバーで創意工夫して自主的・実践的にやっていく
特活の目標を達成するために必要かつ有効だから何十年経っても続いていると思いますが、やり方やつけたい力もずっと同じでいいのかなって疑問を感じませんか?
私は、「これでいいのかな?」「方向が間違ってないかな?」とちょこちょこ気になる人なので、30年学級担任をしてきても
ねらいは何だっけ?何のためにやるんだったけ?
と、よくスタート地点に戻って考えることにしています。
学級活動ってなにかを簡単にいうと、みんなで話し合って、ダメなら変えたりしながら楽しい学級を自分たちで運営するということです。
そのためには、とにかく話し合って決めるという習慣をつけることがめちゃくちゃ大事です。
これは、昔に比べてかなり重要視されていますよね。
学習指導要領を読むと、大事なことがビシッと網羅されてまとまっていますが(当たり前ですが💦)、
私の場合は、覚えきれないので、とりあえず自分が大事にしたいことをキーワードで書き出しておくことにしています。_φ( ̄ー ̄ )
合意形成・創意工夫・自己有用感の3つを意識して進めるぞ!
書き出しておくことで、自分自身がブレずに、子どもたちが迷った時に活動を修正していけるのでオススメです。
教師の役割は、子どもたちが積極的に活動に参加することによって学校での共同生活を楽しく充実したものにすることです。
だから、子どもたちが、安心して迷ったり、悩んだり、もめたり(^ ^)できるように下支えをしていきます。٩( ‘ω’ )و
自主的に動ける学級をつくりたくて学級活動の本も読んで計画してたのに、始めてみたらうまくいきません…どうしたらいいんでしょう。
「学級をよくしたい」と真剣に取り組んでいる先生方から、こういう質問をいただくことがあります。さて、一生懸命やっているのに、なぜうまくいかないのでしょうか。
1年生の場合は、入学したてなのですぐには係活動を始めることはありません。でも、2年生以上はどうでしょう。4月に新しい学年に上がるとほぼ同時に係活動をスタートさせていないでしょうか。
「黒板を消す人がいないと困るし…💦」
「保健係を早く決めないと…💦」
「給食が始まるし…💦」
早く学校生活を軌道に乗せたくて、焦ってないでしょうか。ある程度経験年数のある先生でも、学校が始まったばかりの1週目のうちにいろんなことを決めてしまおうとする先生を見かけたことがあります。
「クラス替えがなく担任も同じだった」という場合であっても、新しい環境を意識させることは子どもたちの「1つお兄さんお姉さんになった」という気持ちを持たせるのにとても重要なことです。
だから、新しい友達、新しい先生、新しい教室、新しい机・椅子、新しい窓からの風景などたくさんの新しいものの中でワクワク感を味わわせて、まずは「新しい教科書・ノート」を使う新年度の学習を軌道に乗せるところから始めるといいんじゃないかなと思います。
35週あるうちの1週目はどっしり構えていきましょう。子どもは自分の担任がどんな人か見ています。真剣に目を見て、一人一人と関わっていく1年の土台づくりをする週なので、係決めなんて2週目以降でOKです。まずは、どんな子たちがいるかニコニコしながらガッチリ観察しましょう。
黒板を消すなどすぐにやってほしい活動は、前年度の経験をもとに誰がやっていいことにすると素の子どもたちの姿を見ることができます。学級にはいろんな子がいますよね。
⭐️自分がやりたいことを通す気持ちが強い子
⭐️譲るのが上手な子
⭐️仲裁しようと間に入れる子
⭐️全く全体に関わることに興味を示さない子
⭐️何でもやりたがる子
…等々…
先生、今のままだとごちゃごちゃするので、係があった方がいいです!
「係が必要だ」「係を決めたい」という声が上がってから学級会につなげると、子どもたちはこれまでの経験をもとにしながら必要だと考える係を提案してきます。
もしも学級会で「どんな係があったらいいと思いますか?」と議長が問いかけてもあまりノリノリな話合いにならない場合は、係活動への飢えが足りないというか飽和した状態になっていると思います。慣れてしまって、どうせ毎年同じだろうと思っているかもしれません。
学級は小さな「社会」です。社会に何が必要で、どうやっていったらいいのか体験させる意味でも、将来の社会との関わり方を学ぶ貴重な場です。だから与えすぎず、子どもたちの「係やりたい!」という感情の発露を待ちたいところです!
子どもたちが「係を決めたい」と言ってきたら、「じゃあ、どうしたい?」と返しましょう。「じゃあ、学級会をしましょう」ではダメです。何か決めたいと思ったら、学級会という公の場を通す必要があることを子どもに気付かせないといけないですからね。
「自分の意見」をもって学級会に参加させるために
学級会を開くことが決まったら、「いつやるのか」「何を話し合うのか」忘れないように紙に書いて壁に貼っておきます。これが「学級会コーナー」の始まりになります。
ここから学級システムづくりが始まりますが、大事なことは、最初から「完成形を描かない」ということかなと思います。レベル1から始めて、子どもたちと一緒に掲示コーナーもシステムも徐々に進化せていきます。学級会や学級システムについては別記事でご紹介していきますのでお待ちくださいね!
どんな係があったら「この学級が過ごしやすくなるか」がカギ
「どんな係があったらいいと思いますか」
これはよく議長がみんなに意見を求めるときに話す言葉です。でも「あったらいい」と言う言葉は抽象的なので、教師が少し道筋をつけて具体的にしてあげます。ここは教師の出番です!
学級会をするのも、係を決めるのも、そもそもは過ごしやすい学級を自分たちの手で作っていくためです。
だから、子どもたちが自分たちの力で話し合って、いろんなことを決めてやっていけるクラスを作るには、教師が、担任として目指すところを心において、そのために必要な要素を子どもたちと一緒に加えていけばいいということになります。
結論:ねらいを忘れず、ブレずに1年かけて学級をつくる
私たち学級担任にとって、学活をどう展開するかは学級経営を左右する大事な部分です。でも、活動ありきで大切なことを忘れちゃいけないと思います。
他の学級をみて「早くやらなくちゃ💦」「うちだけまだ係も決めてない💦」と焦る言葉を聞くことはよくあります。でも、私は活動させる前を大事にすることをオススメします。
学級をつくる・変える第一歩は、活動を始める前の下準備にあるんですね。この場合は、教師の心構えの部分が大きいかなと思います。
このやり方で私は毎年子供たちが育っていくのを実感しています。担任の考えによるので、あまりオープンにされていない部分ですが、学級開きの時や係活動を始める前、学級会を導入する前にまねしてもらえたら嬉しいです。特に前期・1学期にオススメですよ!
もちろん年度途中でも見直しはいつでも大事ですから、ぜひお試しください!効果あると思いますよo(^▽^)o
そのあとは、目指したいことからブレない学級をつくるために、うまく機能していくシステムづくりを頑張っていきましょう!
この記事では、学級活動の前提の部分を細かくお伝えしてきました。書ききれなかった小さな工夫や子どもへの声の掛け方、観察の仕方など小技はいろいろあります。質問がありましたらぜひコメントください。少しでも誰かの力になれたら嬉しいです。LINEポチもお待ちしてます!
インスタグラムはニャンズ中心の投稿になってます。元気な5姉妹を見にきてね!(2024.8.24 5ニャンズになりました笑)
手のかけ方を変えるだけで効果をあげつつ時短できる教師の仕事はいろいろあります。「小学校教員になってよかったな」って思えるようなノウハウシェアできる記事をこれからも書いていきたいと思います。最後までお読みいただきありがとうございました!
╰(*´︶`*)╯♡
コメント