「日替わり会長」で学級が笑顔に

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先生

自分が担任する学級に、会長(委員長)・副会長(副委員長)・黒板書記・ノート書記などの役職を設定している先生は多いのではないでしょうか?

学級担任をしていると、「リーダーシップを育てたい」「責任感を醸成したい」「まとめ役が必要」など、様々な根拠があって、苦労して学級組織を考えると思います。

でも、よく考えてみると、今までのやり方では一部の子供しか育たない気が…💦

なんだかモヤモヤしてきて、「みんなが育つ方法はないかなあ」と考え始め、私がたどり着いたのが「日替わり会長」というやり方です。

こんにちは!学級担任一筋32年目のkiki3です。一人一人が育つ学級システムを考え、試してみるのが好きなママ先生です。

この記事では、私がここ16年(結構長い?)実践してきて、手応えを感じている「日替わり会長」システムをお伝えします!

日直を「会長」にしよう

「日替わり会長」を実施すると、全ての子供たちがリーダーとしての経験を積むことができるため、「自分も会長をやった!」という自信をもつきっかけになります。

心配…<br>
心配…

学級にはいろんな子がいて、ちょっと荷が重いのでは…と感じる子もいます。うまくできなくて、かえって自信を無くしてしまうような気がするのですが…

「うまくやれないとだめ」とか「失敗しないように」とか思っていないのに、

「学校は安心して失敗できる場所」だって分かっているのに、

やっていることはすっかり心配性になっていることってありませんか?(^◇^;)💦

これまで30年以上小学校に身を置いてきて思うことですが、子供たちに愛情を注いで学級経営を頑張っている優しい先生ほど、子供が傷付かないように守ってしまう…そんな傾向が見られるような気がします。

ステキな先生
ステキな先生

みんなに力を付けて欲しい!でもどうしたら…

そんな時は、10年後の子供にどんな力がついていて欲しいかという遠くを見渡すスタートラインに立って考えてみるといいかなと思います。

みんなに!
みんなに!

小学校でリーダーを経験できなかった子は、中学校・高校と進んでいくほど、なかなかそのチャンスは巡ってこない気がします。

だからこそ、小学校ではみんなにリーダー(代表)を経験させてあげたいと思いませんか?

うまくできなくていいんです。

慣れていないんですから。

だから、先生がアシストしてあげながら進めていきます。最初は、そのまま、話す言葉を近くで囁いてあげるといいと思います。

一部のできる子に任せれば、手を貸さなくていいので楽かもしれませんが、ここは、学級担任としては楽しちゃいけないところだと私は思っています。

子供はすごいよ
子供はすごいよ

大変かな💦と最初は思っても、子供の吸収力はすごいです!他の子がやっているのを見て、あっという間にマネするようになっていきますよ!

さて、代表としての役割も学級会も、毎日あるわけではありません。

では、「会長」の活動チャンスをもっと増やすにはどうしたらいいでしょうか。

実は、いい方法があるんですよ☺️

毎日替わる日直さんを会長にすればいいんです。簡単ですよねo(^▽^)o!

もともと日直は前に出て朝の会や帰りの会を進行するので、代表としての役目を担っています。

その司会を「会長」として行うと、不思議なことに全体への目配りの仕方が変わります。

子供たちを見ていると、「肩書き」や「立場」というのは小学校低学年でも気持ちに変化を与えるものなんだなあということを感じます。

それは「自分はどうあるべきか」ということを低学年でも意識できることの証明でもあると思います。

「肩書きや立場で振る舞いを変える」…なんだか嫌な感じに聞こえるかもしれませんが、社会性が育っているからこそ、「〇〇長」というのは、重いんだと思います。

だったら、なおさら全員に経験させてあげたいですよね!

まず、日直を会長すれば、誰でも順番に会長になれることがお分かりいただけたかと思います!

それでは、次に日直会長のメリットを紹介していきますね。

٩( ‘ω’ )و

「日直会長」にはいいこといっぱい!

みんなにチャンスがある「公平感」

まず第一に、みんなに「会長」を経験させることができますよね。

学年が下がるほど、喜びます☺️(1年生の後期から実践したことがあります。1年生でも効果ありです!)

一部の目立つ子だけが経験するのではなく、全員が同じ立場を経験できるので、クラスの中で公平感が高まります。

僕が会長
僕が会長

会長って呼ばれるの初めてでくすぐったいけど、嬉しいな。

大きな声でみんなに伝えなくちゃ。

協力!
協力!

私が会長だった時に、真剣に聴いてもらって嬉しかったから、私もしっかり聴こう!

日直は、朝の会・帰りの会の司会や給食の「いただきます」「ごちそうさま」などの号令係をすることも多いですよね。

その時に、「つなぎの言葉」(←接続詞のことではありません😅)を入れるだけで、グッと会長らしい進め方ができるようになります。

例えば、

元気よく朝の挨拶をしましょう!おはようございます!

(全員:おはようございます!)

気持ちのいい挨拶ができましたね。次は、朝の歌です。歌係さん、どうぞ!

(全員:歌う)

〇〇さんがたくさん息を吸って歌っていてカッコよかったです!

次は…

一言感想を入れて、進行する感じです。

経験がないので、最初は先生が囁いて、その真似をする感じでOKです。

単なる司会ではなく、ファシリテーター(別記事で取り上げますね)を育てるのにも効果的なので、やってみる価値ありですよ。o(^▽^)o

じわじわ身に付く「責任感」

会長の役割を日替わりで行うことが浸透してくると、一人一人が自分の役割を果たすようになります。

会長は、注意係ではありませんが、全体を見て声を掛けることも出てきます。(いいことも見つけてほしいのですが、気になることの方が早く見つかるんですよね💦)

それを経験して、「逆の立場だったら…」ということを想像できるようになっていきます。

ママ先生
ママ先生

生きていく上でめちゃくちゃ大事な力の一つが「想像力」ですよね!

会長を経験していくからこそ、会長の気持ちが分かる。

会長任せにしない学級の雰囲気も醸成されていきますよ!

多様な視点が生かされる

学級の中には、本当にいろんな子がいますよね。

毎日会長が変わることで、ちょっとずつ違った視点が取り入れられ、「お決まり」はないんだということに子供たちが気づき始めます。

定型文しか話せない。

「進行する順番が違ったらどうしよう💦」という不安が大きくて堂々とできない。

予定調和が好き。(←これはハプニングを警戒する先生の方かもしれませんね😅)

マニュアル通りの整然とした朝の会・帰りの会・学級会が、これからの社会を生きていく子供たちにとってプラスであるとは言い難いのでは…と私は考えています。

でも、前に出て話す人が毎日変われば、何かが毎日変化します。

変化は人を惹きつけるので、あまり自分事として学級の活動に興味を示さなかった子も、なんとなく目を向けるようになってきます。

なるほど
なるほど

自分も会長になる日がくるって分かっているから、その時困らないように他の子がどんなふうに進めているか関心が高まるのね。

段々慣れてきて、会長としての自覚が生まれてくると、自分の中に湧いてきたアイデアを提案する会長さんも出てきます。o(^▽^)o

「例えば…」という言い方で他の子たちの思考を促すような司会もできるようになってきます。これは低学年で実践した時にも同じことが起きました!

例えを使って話すことは、国語科では、文章をわかりやすく説明するための技法の一つとして学習しますが、そんなことを学ばなくっても、子供たちは日常的な表現として、例えを使って説明することをしています。

改めて国語で学んだときに経験と知識がつながるわけですね!

知ってるよ!
知ってるよ!

なんだあ!そんなのずっと前からやってたよ!

実は、そういう日常と学習の融合学びと遊びの融合こそが今の指導要領で変わったところだと思います。

出典:H28年12月答申 補足資料 第1部学習指導要領改訂の基本的な方向性

この図を「日替わり会長システム」に当てはめて考えてみるとこんな感じになります!

①・②・③の番号をつけて流れを示しましたが、どれもつながっているものなので、単なる一例としてみていただければと思います。☺️

「生きる力」を育み、「主体的で深い学び」を実現することをずっと頭の隅っこに置いて、上の三角形▲を思い出していろんな場面に当てはめてみるとイメージしやすいかなと思います。

ところで、私は、朝の会のプログラムを教室に掲示していません。もう20年以上続けていると思います。

でも、「壁にプログラムを貼っていないから朝の会が進まないまま1年終わってしまった…」という学級・学年は一度もありませんでした。

決まっていないんだから、正解はない。

正解がないんだから、間違いもない。

まず先生が既成概念から離れることで、子供たちの発想を受け止める土台ができていくと思うので、とりあえず試してみてほしいです。

会長が毎日交替することで、その子、その子による視点でアイデアが示され、学級が新鮮な雰囲気に包まれますよ。

ちなみに、ノーリスクかつプログラムを作る手間も省けます。o(^▽^)o

長年やってるけど
長年やってるけど

私たちのような経験年数を積んできた教員の方が、考えが凝り固まっていることもよくあります。

だから、「チェンジ自分!」頭を柔らかくしていきたいですね!

協力とフォローの文化が生まれる!

日替わりで会長をしていると、ちょっとずつリーダー性のかけらのようなものが心に積もっていって、休み時間などにあちこちで建設的な話合いが聞かれるようになっていきます。

遊びを決めるなどの日常的な話合いであっても、誰かが提案しているときは、邪魔をせずに聴いてあげようという姿勢が見られるようになってくるので、子供の柔軟性は本当にすごいなあって思います。

自分が話を進める立場も経験しているからこそ、耳を傾けてもらえない悲しさも知っているんですね。

聴き手と話し手の両方がいて話合いが成立するように、リーダーを経験することで、サポートも上手になっていきます。

どんなアイデアも提案してみていいんだという土台ができてくると、学級の中に、お互いがお互いを受け入れる優しい雰囲気が生まれます。

雰囲気なんて目には見えないものですが、それによって居心地がいい学級になるかは大きく左右されますよね!

居心地のいい学級の子供は成績も上がり、コミュ力も上がる。そして笑顔も増える!いいこといっぱいです。o(^▽^)o

忘れてはいけないこと

昨日は会長だったけど、今日はサポーター。

30人学級を想定した場合、1ヶ月半に1回程度「会長」になる機会が巡ってきます。結構間隔が空きますよね。だから、日替わり会長は急速にリーダー性を高める方法ではありません。じわじわ育てていくシステムです。

でも、その間に会長としての気持ちを忘れてしまってはもったいないですよね(^◇^;)💦

だから、前提が必要になります。

日替わりで日直が会長をすることを子供に伝える時に、日直会長じゃない日は「みんなが心の会長」であることを一緒に伝えます。

「日替わり会長」を実施すると、全ての子供たちがリーダーとしての経験を積むことができるため、「自分も会長をやった!」という自信をもつきっかけになることを始めにお伝えしましたが、経験から広がる相乗効果を求めるなら「毎日みんなが会長」というシステムも一緒に行うと効果的です。

その日の代表者は「日直会長」。そして、周りのサポーターは、「心の会長」という構図です。

こうすることで、学級の困りごとを放置できる?立場の子供はいなくなります。

日直会長
日直会長

私が会長だから、みんなに声かけなきゃ!

心の会長
心の会長

あれ?困ってるみたいだな。僕は日直会長じゃないけど、心の会長だから話しかけてみよう。どうしたの?何かあったの?

会長任せにはできないんですね。全員会長ですからo(^▽^)o

大事なことは、みんなで笑顔の学級をつくることです。そこに向かう方法はたくさんあると思いますが、この日替わり会長は、みんなが育って、笑顔が増えるなあとやってきて実感しています。

今年はこの方法に賛同し、チャレンジしてくれる仲間も増えました!結果を実感できるのは年度末だと思うのでまだまだ先ですが、できそうなことからやってみる先生って本当に素敵だなあって思います。

春に決めたシステムがあったとしても、途中でいいと思ったらやってみる柔軟さは私たち教師にとってとても重要なスキルです。

もし、「今うまくいってないなあ」とか「あまり子供の伸びを感じないなあ」とかモヤモヤしていたら気軽に試してみてくださいね!

kiki3<br>
kiki3

ちなみにウチの学級では、副会長は「明日の日直」にしています。いきなり会長になるより心の準備ができますよね!

そして、明日のために今日の会長の様子をよく観察するようになります。

やっぱり自分事として物事を捉えるのって大事ですね。

最後までお読みいただきありがとうございました。

╰(*´︶`*)╯♡

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