現行の指導要領で推進している「主体的で深い学び」を実現するためには、学校内外での学び方、特に家庭での自己調整力や学習習慣づくりがものすごく重要だということをひしひしと感じる今日この頃。
学校と家庭のつながり方を本気で考えないと、子供にとってよくない状態に陥りそうだなと不安な気持ちがこみ上げます…(^◇^;)
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こんにちは。30年以上小学校で学級担任を続けているkiki3と言います。約450人担任し、様々な家庭と関わってきました。「子育て=未来育て」と考えて、学校と家庭がうまく手を取り合う方法を模索しています!
家庭学習の大切さを伝えよう
コロナ禍を経て子供の学習環境は大きく変わりました。今は一人ずつタブレットやパソコンを使うのも当たり前となり、全国でオンライン学習や自主学習も広がっています。
この経験で明らかになったのは、学校の授業だけで学びを完結させることはもう無理で(もともとそうですが)、家庭での学習の仕方や学習環境のつくり方が子供の学びを支える上ですごく重要なカギになるということです。
![大変だー](https://mama-sensei.com/wp-content/uploads/cropped-3b7e35732a87ac790dbf8d86c20444c7.png)
OECDの調査(PISAなど)でも、家庭学習の時間や質が学力に大きな影響を与えることが示されています!
特に日本では、家庭での学習時間が短い子ほど基礎学力に課題があるとされています💦これは大変!急いで何とかしなくちゃいけませんね💦
自ら学ぶ力(主体性)を育て、ハプニングやプラン変更、将来的な社会の変化など、想定外のことに対応できる人に成長させていきたい!
そのためには、「宿題改革」や「家庭学習支援プログラム」など手を入れていかなくちゃいけないことがたくさんあります。
では、どう1歩を踏み出せばいいのか٩( ‘ω’ )و
それは、子供に社会情勢を含めた今の状況を知らせ、未来予想をすることで「10年後の自分のためになる学習の仕方」を体験を通して学ばせていくこと、
そして、同じように、保護者にも家庭学習の意義や重要性を浸透させていくことが必要になります。
![分かってほしい](https://mama-sensei.com/wp-content/uploads/b63d1e36b269efbde8f874c0f13bc0aa.png)
保護者の方がもっている「学校のイメージ」を変えないと、教育は新しいステージに進んでいることを分かってもらえません。子供を学校に出したらあとは担任にお任せというパパママもまだ多いです。
宿題の丸付けも拒否されました。「それは先生の仕事でしょ」と言われ、説明にまた時間がかかり、放課後の時間が取られてしまうので、そうなるくらいなら自分で丸付けしたほうがマシだと考えてしまいます。
そのお気持ち、よーく分かります。😢
丸付けの話は一例ですが、これまで教師が行ってきた役割をもう一度見直すなど、未来に向けてどう担当をシェアするのかはこれから変わっていかなくちゃいけないポイントだと思います。
![気持ちはわかる](https://mama-sensei.com/wp-content/uploads/cropped-3b7e35732a87ac790dbf8d86c20444c7.png)
これからは学校での学びと同じくらい家庭での学び方や環境が子供の学力や将来の力を左右する時代になります。
だから、家庭とうまくつながっていくことが「子育て=未来育て」には不可欠だと私は考えています。
保護者に分かってもらえるように
保護者より年齢の若い先生方にとっては、保護者の言葉に言いくるめられそうになったり、理不尽な言葉に傷ついたり、保護者対応はドキドキすると思います。
でも、そんな時はこう言ってみてください!学校や教育が新しいステージに来ていることを感じてもらえると思います!o(^▽^)o
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今の保護者の学校時代は「昭和」か「平成」です。指導要領が変わってどーのこーのというよりは、はっきりと「時代が変わったんですよ」ということを伝えると、納得してもらいやすいです。
ただし、今、実施している計画や活動の意図が保護者に伝わっていなかったら、「ごめんなさい💦説明が足りなかったですね💦」と素直に謝って協力してもらえるようにしましょう。
![子供ができるように](https://mama-sensei.com/wp-content/uploads/cropped-3b7e35732a87ac790dbf8d86c20444c7.png)
丸付けについては、今は、スクールサポートスタッフが丸付けに協力してくれる学校や丸付けボランティアを募っている学校もあります。でも、子供が自分で丸付けできるように育てることが大事ですよね!気持ち(適当にやらない)と技術(よく解答を見て正しく付ける)の両方を育てていきましょう!
私は今高学年を担任しているので、宿題プリントの裏には解答を印刷してもらっています。
プリントに取り組んだあと、すぐに自分で丸付けをして、直しまでで1セット!
そういう価値観になるように気持ちと技術を育てているところです。
子供が育ってくると保護者と手を取り合う内容が変わってきます。実際に何かを保護者にお願いする時や保護者から相談があった時には、
![協力します](https://mama-sensei.com/wp-content/uploads/cropped-3b7e35732a87ac790dbf8d86c20444c7.png)
将来お子さんが困らないように、一緒に未来に向かって大人同士頑張っていきましょう!私は学校サイドから支えますので、お母さん(保護者さん)は、お家サイドから支えてくださいね!
と、言ってみてください。
私が試したところでは、好感触の反応が返ってくることが多かったです。
![やってみます](https://mama-sensei.com/wp-content/uploads/fc5d322916daaeba15e0c2ba1954c3d5-1-150x150.png)
分かりました。家でどうやって支えたらいいのか教えてください。
先生は、集団の中で子供の社会性を育てながら学び方や考え方を教えていく。
子供は、学習計画と実施表をもとに10年後の自分のためになる学習の仕方を身に付けていく。
保護者は、点数だけを重視せず「子供の学習に取り組む姿」を見て、できる協力をする。
勉強ができるのは先生のおかげ
勉強ができないのは先生の責任
そんな単純な構図ではなく(元々違うと思いますが😅)、教師は「お子さんの成長のために手を尽くします。」という立場で、教育の専門家として保護者の方とつながることが大事だと思うわけです。
だから、先生をしている以上、日々の授業を工夫して頑張りたいです。٩( ‘ω’ )و
子供が「なんで?」「どうすればいいんだ?」って考えずにはいられないような授業をしたいなって思います。
そして、保護者が困らないように、家でどうやって子供の学習を支えたらいいのか、具体的に例を示して保護者が協力できることをしたくなるように仕向けていきましょう!
具体例を示そう(まずは学習環境)
宿題改革、ICTの活用、学習環境の整備など、家庭学習の量と質を上げるためにどんなことから取り組んだらいいのか、切り口はたくさんあります。
でも、一気に伝えても「大変だ💦」という印象が強くなってしまうので、すぐにできそうなところから伝えます。
それは、学習環境づくりですo(^▽^)o
リビング学習をオススメする
令和の学習環境づくりは、保護者の方にとっても未知の世界です。
子供の教育に熱心な方は新しい情報を集め、よりよい方向を探りますが、多くの方は、自分の経験をもとに子育てしています。
![みんな迷ってます](https://mama-sensei.com/wp-content/uploads/cropped-3b7e35732a87ac790dbf8d86c20444c7.png)
ご自身の経験をもとに、知ってる範囲でよい方向を探っている保護者は多いです。そこに、教師目線で見て、根拠のある「よいもの」を紹介すると喜んでもらえますよ。
リビング学習自体は、以前からありますが、そのよさを根拠として取り入れているというよりは、「なんとなく」「部屋数の都合で」「見張りの意味で」など、家庭の状況として行われていることが多かったように思います。
でも、リビング学習のよさは、もっと違うところにあると思います。特に小学生に効果ありだと思っているので、まずは学習場所としてみんなが集う食卓テーブルをオススメしますo(^▽^)o
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一部の調査ではリビング学習を取り入れている家庭の子供が高い学力を示す傾向があるとも言われていますが、それについての因果関係は証明されていません。
でも、東大王の伊沢拓司さんをはじめ、東大生の83%がリビング学習としていたのは有名な話です。(「東大脳の育て方」出版社:主婦の友社)
居心地のいい場所で勉強をすることで勉強のハードルが下がって、「さあ、勉強するぞ!」と構えずに取り組めるようになる。すると、勉強が生活の一部のようになり、勉強が嫌だという感覚が薄れていくというのは納得できますよね。
さらに私がいいなと思うのは、簡単に学びと遊びを行ったり来たりできるいうことです。
キッチンも近いので、調理も勉強のネタになります。テレビを家族で観た後のそれぞれの感想を聴き取って文章にするのもいいですよね。
教科の学習だけでなく、自分で素材を見つけて学ぶ自由研究的なことも日常的にやって欲しいので、自室があってもリビングの方がいろんなことを学びにもっていけるだろうと考えています。
大人が付きっきりじゃなくても目が届き、家事をしながらでも声を掛けやすい場所っていいなって思いませんか?o(^▽^)o
また、学校で子供たちを見ていても、誰かがいたほうが集中しやすいと考えている子がクラスにも多いと感じます。
![子供たちはmeet好き](https://mama-sensei.com/wp-content/uploads/cropped-3b7e35732a87ac790dbf8d86c20444c7.png)
「図書館の方が集中して勉強できる」というのは昔からの勉強あるあるですよね。
今の子供たちは、zoomやGoogle meetなどを使って「仲間も勉強しているという空間」で黙々と自主勉強に取り組むことを好む傾向があります。ひたすら勉強している姿を配信しているYoutubeもありますね!
使えるグッズをオススメする
メリットが大きいリビング学習ですが、もちろんデメリットもあります。
なんと言っても、ご飯どきには片付けなくちゃいけない!
食卓テーブルですから当然ですよね。
😅こまごました物もささっと片付ける方法はないかなあ〜と思って探していたら、いろんな勉強道具をパパッと片付けることができるいいものを発見しました!o(^▽^)o
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100円ショップのセリアで売っている「リビング学習マット」です!
中の説明書きに使い方が書かれていました。
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これなら、消しカスも気にならないし、一まとめにして移動することができます。
ただ、完全にこの上だけで学習するにはちょっと狭いので、私は片付けの時に使うだけでもいいと思います。
実際に教科書とノートを置いてみました。
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ちょっと狭いですよね。でも110円で買えるなら大満足です☺️
それから、ちょっとだけ自分空間を作ってくれる卓上パーテーションもあると便利なリビング学習グッズです。
集中モードに入るのが苦手な子に効果が大きいことはもちろんですが、家族もいるけど、一人のスペースもつくれる気持ちのいいグッズです。
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卓上の仕切りは、たくさんの種類が販売されていて、用途や機能によって1000〜4000円くらいで購入できます。
![便利!](https://mama-sensei.com/wp-content/uploads/cropped-3b7e35732a87ac790dbf8d86c20444c7.png)
私が使っているのは「IKEAオーヴニング デスクディバイダーポケット付き」という商品で、通常価格は1499円です。これもたためるのですぐに移動できます!
あとは、100円ショップでキッチンタイマーを用意してもらいましょう。これは、集中する時間を15〜20分で区切りながら短時間しっかり集中させるのに効果的です。
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生活時間を自分で把握させるためにもキッチンタイマーは必需品です。
![言ってみて](https://mama-sensei.com/wp-content/uploads/cropped-3b7e35732a87ac790dbf8d86c20444c7.png)
「お子さん専用のキッチンタイマーを一緒に買いに行ってください。ワクワクしながら勉強しますよ!」と伝えると、保護者に分かってもらえると思います。
学校・教師・保護者 みんなでやり方をアップデート
それほど高価ではない「学習に役立つもの」の準備をすることが最初の準備だと、保護者の方も「それならできる」と学習への協力に対するハードルが下がります。
気持ちよく協力してもらえそうな一歩を踏み出せると、次は、実際に丸付けをしてもらったり、計画・実施表を見て、学習の様子に目を向けてもらったり…と次のステップに進んでいきやすくなります。
家庭学習のオススメの場所:食卓テーブル
取り組みやすくする初期準備品:学習マット・仕切り・タイマー
あくまでもオススメ品なので、なければ家庭学習できないというわけではありません。
でも、何をどう協力したら…?という疑問が保護者の方から伝わってきた時に、集中しやすいグッズの準備は提案しやすいです。
いきなり「家庭学習は家庭でやるものだから」と手を離してしまったら、塾に行かせるか、放置するかどちらかにシフトしてしまうことも考えられます。😢それを避けるためには、やっぱり保護者の方にも取り組みやすいところから取り組んでもらうと次のステップにつながりやすいように思います。
今は、家庭学習がすごく重視されていることを何度も伝えて、子供たちの自己調整力を高めるために両サイドから支えていきたいということを分かってもらえるようにしたいですね。
最後までお読みいただきありがとうございました
╰(*´︶`*)╯♡
![kiki3](https://mama-sensei.com/wp-content/uploads/cropped-3b7e35732a87ac790dbf8d86c20444c7.png)
家庭学習にうまく比重を移すことで、授業のやり方も変わります。保護者とうまくつながって、先生の仕事を楽しんでいきたいですね!先生は、30年以上やってても工夫のしがいがある仕事だなあって思います。一緒に頑張っていきましょう!
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