大切な友人の娘が大学生になり、小学校教員を目指していると聞きました。
学校は、大人にとっては誰もが通ってきた道で「知っている世界」ですが、実は、立場が変わると全く未知の別世界です。
そこで、教育本や大手教育サイトだけでは分からない生の教育現場のことを私なりの経験と考えから綴っていこうと考えました。
「教員」という職業に興味をもってくれている方にとって、教員について知る一助となれたら嬉しいなと思います。
こんにちは!kiki3と言います。私は、小学校教員歴30年、フルタイムワーママ歴20年の現役教員です。この記事は、塾の先生ではなく「学校の教員」を目指す学生さんなどのプレ先生、経験年数は少ないけど、手探りで頑張っている若手の先生に読んでいただきたいです。
教員不足が深刻な今、教師を志す方がいるのはとても嬉しいことです。
٩( ‘ω’ )و
ただ、教育現場の仕事の多様さ・疲労感などは様々なメディアで伝えられている通りで、「正直なところ、先生を目指すのってどうなの?」と不安に思っている方も多いと思います。
このことに対する私の結論はこれです!
大丈夫!教師は自分の人生も豊かにしてくれる素敵な仕事だよ!
こんなこと、いきなり言われても、信ぴょう性がないですよね。(^◇^;)
日常、大変さを実感してしまう点は色々ありますが、それらと天秤にかけても「素敵な仕事」と言える根拠を、この記事でお伝えしていきたいと思います!
ざっくり分けてみると、こんな感じかなと思います。結構、いろんな種類の大変さがありますよね💦
でも、これらの大変さをうまく解消していければ、教員は「やってきてよかったな☺️」と思える日がきます!
どんな職業でも、入社したてや覚えたての頃は大変に決まってます。
それがベテランになっても楽にならないのは学校特有の事情もありますが、少しずつ改善には向かっています。
漠然とした不安に振り回されないように、まずは、心構えも含めて「そっかー。こんな感じなのか。」と感じてもらえたらいいなと思ってます╰(*´︶`*)╯。
やることが多い・教える以外の仕事が多い
工夫しようと考えれば考えるほど、時間がかかってしまう教師の仕事。でも、関わる「ヒト」で分けてみると、大きく3種類です。
⭐️子供に関する仕事⭐️
日々の授業、行事(学校行事や児童会活動)、学級経営など
最も教師らしい仕事ですね。教育実習では「指導案を書いて授業を進める」という1単位時間の学習の組み立て方も経験すると思います。
指導案には、1年間を見通してよりよい学習のあり方を研究する校内研修に関連した「細案」とA4サイズ1枚程度にまとめた「略案」があります。
細案は年に1回くらい、略案でも年に1、2回くらい書く程度です。
つまり、毎日5時間程度行う日々の授業は、もっと簡単に「ねらい」と「まとめ」を設定して、指導書を使いながら進めていくことになります。
普通は1週間単位で学習計画を立てて、極端に学習時期が早くなったり、遅くなったりしないように調節しながら進めます。
慣れるまではフリーなことの方が難しいと思いますが、ちゃんと教えてくれる人がいるので大丈夫ですよ。( ^∀^)
塾との大きな違いは、日々の学習を進める中で、個としても集団としても子供たちを育てていくというところだと思います。
学校という社会の中で、友達と一緒に学ぶという社会性も一緒に育てているんですね。これが「学級経営」です。
遊びも運動も行事も子供にとっては学習と同じくらい大事な学びなので、毎日いろんなことが起きますが、子供の成長が見られた・感じられた時の喜びは格別です。
これぞ教師の醍醐味だと思います!
子供から学ぶ気持ちと未熟な自分を認める気持ちがあれば、まずはスタートできますよ!
学習指導も学級経営もコツがあります。やっていくことで習得していくワザもたくさんあります。私がこれまで実践してよかった!という効果ありのワザ紹介も増やしていきますのでお楽しみに!
⭐️保護者に関する仕事⭐️
各種連絡・学級通信など
今の学校で一番大変なのは、「保護者対応」(^◇^;)これは事実です。
でも、モンスターペアレントと呼ばれる自己中心的な保護者もいますが、その方への対応はごく一部です。(モンペ化した後はものすごく時間も労力も精神力も吸い取られますが💦)
それより、日常的に最も時間が取られるのは、欠席した児童やケガをした児童へのケア・保護者連絡、集団に適応できなくて困っている子(友達を叩いたなどいろんなことが起きる)への保護者対応など個別に対応する案件が増えていることが挙げられます。
コロナ以降、増えている感じがします。
私は430人以上を担任し、それ以外にも関わった保護者さんがたくさんいます。でも、実はモンペにもみくちゃにされた経験も、学級懇談で保護者にめちゃくちゃ責められた経験もありません。
ついにきたモンペ体験!(2024.4〜)
そう思って30年以上やってきましたが、とうとう遭遇しました💦すごい人に…💦
ただ、その方は完全に精神疾患を抱えていて通院中。話が通じる相手ではありませんでした。
そして、その家庭の姉妹を担任した歴代の担任全員が大変な攻撃を受け、1年ごとに担任が変わっていました…
私も初めての経験にショックを受けましたが、校長先生、教頭先生が窓口となり担任を守るサポートをしっかり行ってくださっているので、大丈夫!
やれることを普通にやって、特別優遇することはせず進んでいます!面倒なことには変わりありませんが、サポートしてもらえると安心感があるので、必要以上に悩まず済みます。
(2024年前期前半、自分や学年・学校でどうにかできる範囲を超えた「たった一人の保護者」に遭遇したことで、また新たな自分を発見するに至りました💦:2024 8月追記)
価値観がどうしても合わない保護者へも対応方法はあると経験上実感していますが、何がトリガーになって「面倒な保護者」に変身してしまうのか、変身させない方法はあるのか?まずは、人として誠意をもって丁寧に関わることが一番大事だと思っています。
丁寧にするには、やっぱり時間がかかります…怖いので小さなことでも電話してしまいます…💦
「時間のかけどころ」を変えるといいですよ!「対処」に時間をかけるのではなく、普段の「自分」はどんな人なのか、どんな想いをもって子供たちを指導しているのか、保護者の方にどんなことを求めるのかなどを学級通信で発信していきます。
できるだけざっくばらんに分かりやすい言葉で、学校と家庭の距離感を詰めていきます!
顔文字なんかも入れながら、手書きで出すと効果アリですよ!効果的な学級通信については、別記事で紹介していきますね⭐️
うわー大変だ💦と思った方もいると思いますが、人間味が伝わると、友好な関係が築きやすくなるのはいじめ問題でも一緒です。
(手を繋ぐ遊びを取り入れて相手の体温を感じると、簡単には相手を傷つけなくなります。)
同じ血の通った人間同士で、考えを伝え合う目的は「子供のよりよい成長」であることを、普段のちょっとしたエピソードと一緒に伝えていくことで保護者との関係はいい感じになっていきます!
私は、保護者から電話が来ることはあまりなく、電話をかけることもほとんどありません。(学校の決まりで3日連続で休んだらかけます)
人間味のある通信でいいことも失敗も伝えて「誠実に指導してくれているな」と信頼してもらえるようにやっていくことで理解してもらえるようになるんですよ。
何か起きてから関係を作ろうとしても上手くいかず、ちょっとしたすれ違いが不信感に変わります。
30年の経験の中には失敗もたくさんあります。
でも、「kiki3先生ってこんな人だよね〜☺️」って理解してもらえるようにして、素直にごめんなさいをしてお互いに許し合う関係を作るとうまくやっていけます。
大丈夫。人と人ですから(*´︶`*)
忘れ物やら宿題忘れやらで、子供と保護者を責めるスタンスに入ってしまうと、こちらがミスした時に許してもらえません。この少子化の時代に、子育てを頑張っている保護者に「大変ですよね。大丈夫ですよ」って言える気持ちでいくと優しい関係が築けますね。
⭐️同僚(教師)に関する仕事⭐️
校務分掌(学校を回していくための係活動みたいなもの)・足並みをそろえること(情報共有・共通理解)など
学校全体に関わる仕事は、各分掌(教務部・校務部・指導部・研修部など学校によってその他いろいろ)の主任が中心となって動いていくので、今のところ心配いりません☺️
学年の仕事は、学年の先生方とチームになって考えます。授業や学級経営の相談、校外学習の計画なども相談しながら進めていきます。
生徒指導や保護者対応などのノウハウを伝え合ったりもします。(この情報共有と共通理解、対応の検討に時間がかかるわけです💦)
学級・学年の児童数が多ければ、それだけいろんなことが起こる可能性があるので、学年の先生方との連携は必須ですよね。
経験がなくてうまくできないのは当たり前のことです。聞かずに一人で進めてあとで報告するのは理解してもらうのが大変です。
先輩たちは「相談してほしい」と思っているので、遠慮せずに話してみましょう。そもそも教師は教えるのが好きな人々なので!(子供に対しては、教えすぎずに考えさせることが大事)
「誰からでも吸収しちゃおう!」という意欲と
「教えてもらってありがたいな」という謙虚さがある若手は
ぐんぐん成長します(^ ^)
自分勝手な考えや行動を個性と勘違いする人がたまーにいますが、人の中で一緒に仕事をしていく以上は、自分も相手も周りもよし!の三方良しの行動を取りたいですよね!
いろんな子供といろんな保護者
多様性の時代についていけてないのは、若手よりベテランと呼ばれる年齢層の先生方だったりするのは、けっこう学校あるあるだと思います。
「昔のやり方が通用しない」という声を聞くこともありますが、そもそも学年や集団が変われば方法を変えるのは当たり前のことなので、「絶対いい!」「これで完璧!」という対応の仕方や指導の仕方は存在しないと思っています。
だから、教師の仕事はクリエイティブなんだと思います!数回経験した学年でも、全く同じやり方が通用したことはありません。常に変化しているものに対応するには、自分が固まらなきゃいいだけです。経験を「引き出し」として、「次はどうやってみようかなあ」って考えると、楽しいですよね。事務的な仕事が苦手な私としては、飽きない🟰終わりのない仕事だと思います。だからこそワークライフバランスをとって、家庭も仕事も大事にしたいなって思います。
これまでの狂ったワークライフバランスのせいで、心身とも疲れてしまった先生や家庭がうまくいかず悩んでいる先生がいるのも事実です。
私も、我が子が小中学生のうちは必死でした。( ; ; )
生活の段取りや優先順位をつけて毎日を乗り切ること、実家の父母や義父母の手を借りて、なんとか子供に寂しい思いをさせないようにしたり…とにかく精一杯の日々でした💦
きっと学級の保護者さんも同じだと思います。時間がない中、うまくいかない日がありつつも一生懸命子育てしてます。
だから、多少の忘れ物があっても、本人が「忘れ物したら自分が困る」って思えるようになればいいので、親も子も強く責める必要はないです☺️
いろんな子供、いろんな保護者が集まった集団を、まあるい学級にしていくための私の信条は、
許すこと
待つこと
信じること
認めること
の4つです。若い頃は、子供を信じきれなくて💦待てなくて💦許せなくて💦認められなくて(リスペクト含め)💦ダメダメだったこともいっぱいあります。
でも、子供たちや保護者の方に成長させてもらって、今があります。
学校は閉鎖的な空間です。いろんな人がいると言っても、一般社会に比べたら大したことありません。「初めてのことにぶち当たって大変なのは当たり前」と心の準備をしておけば、大丈夫です。
いろんな子供・いろんな保護者に疲れてしまわないように俯瞰的に捉えるのも段々慣れてきますよ。
٩( ‘ω’ )و
働き方のイライラ・もやもや
「働き方改革」がなかなか進まないことは大きな社会問題ですよね。
教員採用試験の倍率がここまで下がったのは、「仕事漬けの生活」になってしまう懸念が、「プライベートを大事にする今の暮らし方に合わない」という結論につながっているからだと思います。
やることがいっぱいあって、雑務も多い。でも、なんでもかんでも学校に押し付けてきた時代は変わりつつあります。私の勤務している学校では、以前に比べ少しずつ早く退勤できるようになりました。
校長先生・教頭先生も現場をいかに働きやすくするか考えてくれています。自治体にも寄ると思いますが、働き方は変わる🟰イライラ・もやもやは少しずつ解消されると信じています。
「先生方のやりがいを当てにした「やりがい詐欺」と言われないように頑張ります!」と校長先生が話されたことがありました。なんとかしようと、みんなでもがいたら、きっと変われます。(きれいごとではなく)
正解がないことが多くて悩む
塾であれば、点数を上げることが求められるので、それに特化した学習方法をニーズや状況に合わせて見つけていくことになると思います。
でも、学校で行う活動には、
「経験すること自体に意味があるもの」
「集団の中で一緒に学ぶことを目的としたもの」
「将来までつながる学習習慣を身につけるための例題的な活動」
など本当にいろんな活動があります。
「当該学年の基礎的な学力は保障しなくちゃ」と考えて宿題が多くなったり、年に一度の学力テストで自分の指導力のなさを露呈するのが怖くて詰め込み勉強させる教師も見たことがあります。
でも、もう時代に合っていないかな、と思います。自主勉強の土台がないまま、いきなり「宿題なし!全部自主性に任せる」というのは、ただの放棄だと思いますが、そこに至る基盤づくりはやっていかなくちゃと考えています。
30年前とも20年前とも10年前とも教育は違います。変わらないこともあるけど、変わっていかなくちゃいけないこともたくさんあるんです。
だから、50代でもちゃんとアンテナ立てておかないと、訳が分かんなくなります(^◇^;)。
学生さんや若手の先生は安心してください。自分が正解だと確信をもって仕事ができている教員はいません。
いたとしたら、、、、怖いです。アップデートされず、自分だけを信じていたらダメに決まってますよね。
ということで、悩むことは多いですが、自分だけではないので、安心して悩みましょう!
相談したり、雑談したりする中で、その時その時のベストまたはベターな答えを一緒に探しましょう。悩むごとに自分も周りも成長できるって、いい仕事だと思いませんか?
結 論
教師を目指す人に伝えたい私の結論は、こうです!
大変だけど大丈夫!教師は自分の人生も豊かにしてくれる素敵な仕事だよ!
(2024年モンペを経験しても変わりません⭐️)
未知の世界はどこに飛び込むのにも勇気が入ります。でも、これまでお伝えしたように、「気持ち」のもちようで教師でもどんな仕事でもやっていけるはずです。
子供から学ぶ気持ちと未熟な自分を認める気持ち
素直にごめんなさいをしてお互いに許し合う関係を作ること
「誰からでも吸収しちゃおう!」という意欲と「教えてもらってありがたいな」という謙虚さ
これらを心の中において、私も頑張ります╰(*´︶`*)╯♡
志のある方、ぜひ教師を目指してください!
全学年を回遊し、学級担任・学年主任をしています。
この記事では「気持ち」面を取り上げましたが、今後は「具体的な方法」もお伝えしていきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました
╰(*´︶`*)╯コメント・LINE、ぜひ!
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